2024年5月14日のニュースです。
最近アパレルの仕事のお客さんに「ドリアン中国で大ブームだから、商売いいんじゃない?」とか、「前話してた通りドリアンって中国でそんなに流行ってるんですね!」と言われて聞いてみると、このANNのニュースを彼らがみていたという事でした。僕はヤフーニュースで同じような記事を読んでいましたが、日本人が少しでも『ドリアン』に興味を持ってくれるのは日本にドリアンを普及させたいと思っている我々にとってもいいことです。
ちょっとニュースを振り返ってみましょう。
別に僕が30年以上中国にいるからといってえらそうに解説するわけでなく、ちょっとだけ雑談を付け足します。ニュースなので多少誇張されてるのは当然ですし、中国が世界一のドリアンの消費国であることやドリアンブームというのも事実です。こういうニュースが出ることで日本人もドリアンを食べたい、日本でもこれをビジネスにしたい、とか話題になったり日本各地の中国スーパーやドリアンの置いてあるイオンにフレッシュでも冷凍でもドリアンを買いに行く人が多くなればいいと思います。
1、ニュースのはじめドリアンのクレーンゲームに出てきているのはドリアンのぬいぐるみか卸売屋にもおいているドリアンの模型で実物ではないのは当然お分かりだと思います。クレーンゲームにも「ドリアン」が普通に扱われているというか普通の生活に存在しているということですね。
2、ドリアン焼肉は僕は初めてこのニュースで知りましたが、紹介したことのあるそのままオーブンで焼いて食べれるものも売っているので焼肉も当然ありですね。次に上海に帰るときは、絶対に”ドリアン鍋”を食べに行くつもりです。
3、動画投稿についてもニュースの通りで、僕もいっぱいフォローしていますが、TicTokだけでも莫大な数のドリアンの投稿があります。ドリアンは中国の輸入果物ではダントツ1位の量なので、その市場の動向や、ドリアンの見分け方とか、いろんな動画がみれますし勉強にもなります。僕が好きなのは変わった品種のドリアンを紹介して食べているものです。それをみてそこから販売サイトに直接アクセスできるので何回かそれでドリアンを買いました。ドリアンを使ったスウィーツやドリンクのレシピなどの投稿もいくらでもあります。
4、毎回説明をつけますが、この「榴莲」の漢字が中国語でリウリエンと発音されてそれがドリアンです。市場の紹介で、国际榴莲馆(国際ドリアン館とでも言いましょうか)北京にあるものですが、その大きな看板の下に「国际品牌水果交易中心(海外のブランド果物交易所という感じ)」と書いてあるので、果物の卸売市場の中のドリアンの小売もやっている場所でしょう。動画の馬鹿でかいドリアンの模型の両側に、泰国金枕 39.9元/斤と 泰国榴莲 19.9元/斤と値段が書かれていますがタイ(泰国)の金枕(我々の扱っているモントーン種のドリアンで中国で最も多く流通しています)と、右のはタイのドリアンという書き方ですが、おそらくタイの別の品種のドリアンです。多分記事にしたこことのある、托曼尼(トマニ)ドリアンだと思います。小さくてちょっと安いものですね。
ちょっと深掘りして、月に3〜4個はドリアンを買うと言っているおばさんがニュースに出てきますが、例えばこの泰国金枕ドリアン 39.9元/斤の物を買うとしましょう。1斤は500グラムなので、2.5キロ/1個とすると、199.5元(日本円に直すと4500日本円くらい)なので円安が今は異常なことを差し引いても、中国でも高価なものなのでみんながみんなそんなにいっぱい丸ごと1個買ってしょっちゅう食べれるわけではありません。「臭かったら買う!」とこのおばさんは言っていますが、別に臭けりゃ美味しいわけではなくて、ドリアンが割れ(開き)かけている場合はその割れ目から中の果肉のきつい匂い出るので、それが”食べ頃”ということですね。ドリアン通のおばさんでしょうね。まあドリアンを買うとき割れたところを匂うのは普通のことですが。
5、出ました!僕も紹介して、何度も食べたことのある”ドリアンピザ”、売り上げの9割?というのは、そういう場所もあるかもしれませんが、これはちょっと言い過ぎか?? でも、大手のピザハット、ドミノピザ、も含めたピザのあらゆるフランチャイズのメニューの中にドリアンを使ったものがかなり多いのは間違いないです。9割がドリアンビザの売上?というと、歴史を積み重ねてきたスタンダードなピザにちょっと失礼かも、と思います。ベーコンとかがドリアンに変わって普通にピザのメニューに存在しているということですね。
6、日本の会社でドリアンといえば僕もサイトを使わせてもらったことのある、マレーシアのドリアンを扱われている、”かをり果樹園”ですね。社長さんがニュースに登場されています。上にはりつけているこのニュースのyoutubeのトップ画像にあるドリアンは切り取った画像でも説明していますが、黄色っぽく、すでに開いて結束バンドでとめてあるものもありおそらくはタイのもので、棘がいかつく形もまちまちです。かをり果樹園さんの動画の場面でまだ大きくなっていないグリーンのかわいいドリアンが出てきます。その棘の感じと
上の中国語のマレーシアの有名10品種のドリアンの紹介の絵のものと見比べてもらうと棘の感じが均等でかわいらしいというかおとなしくみえます。中国で最も多くみれるのは表の1のムサンキング(猫山王)ですが、2とか5、7、8、9のような果肉の色がちょっとオレンジっぽいものが多く、僕が個人的にこういう色が好きだというのもありますが、『美しさ』というか何か惹かれるものがあります。前回上海に戻った時にTicTokから買って食べた表2の黑刺榴莲(D200 Black Thorn)の写真を見てください。
小さいですが、形もよくてちゃんと6房の果肉がありました。冷凍でほとんど匂いはしないし、タイのドリアンとは違った美味しさです。種が大きくて、もう少し食べるところがあればなあ〜〜と思いつつも感動しました。
1.6キロ(凍らせているので実質はもっと軽い)で、400元くらいだったので言われる通り、タイの金枕の倍くらいの値段はしていますね。
こんな食べ方はもったいないかもしれませんが、上海事務所の下の屋台で餅米分けてもらって、コンビニでココナッツジュース買って、即席のカオニャオドリアン(色々読み方ありますが、餅米ドリアンですね)、最高のデザートでした。56歳のオッサンがいうことではないですが。
7、よくヤフーニュースでコメントを出されている中島恵さんも写真でニュースに登場されていました。結構コメント読ませてもらっていますが、本当に中国事情に詳しく非常に勉強になります。
8、ベトナムがコーヒー農園をやめてドリアンを栽培するというのは、ベトナムの方が中国に近いし、意図的にタイの中国への売上を食おうとするのはビジネスとして当然のことです。今年はタイで雨が多く、タイ東部のドリアンの収穫が安定していなくて、ベトナム産の金枕ドリアンも品質が良くなってタイのものに量的に拮抗しているとか、ベトナムの安いガンヤオドリアンも大健闘しているというニュースが多くありました。
9、ニュースの最後に国際関係での貿易リスクが言われていますが、アメリカと中国ではしょっちゅう言い合っていますよね。それでも先日アメリカのブリンケン国務長官は日本には来ないで上海から訪中、北京で習近平主席ともあっていました。政治的トラブルにドリアンが巻き込まれないように外交で解決してもらいたいものですね。
ドリアンが中国でブームというのはブームですが、値段は別として、同じ果物で言えばパイナップルに近い立ち位置、というか存在感がすでに中国生活に浸透しているという感じです。ニュースにもあるドリアンを食べる動画投稿については彼女たちがライバーであったり、業者と組んで宣伝をしているのもいっぱいあります。女性がそんなに食べまくると甘くて栄養がありすぎて太ってしまいますし、そのことを指摘する動画もあります。なんでもそうですが、食べ過ぎるのはよくないですし、これは完全に肯定されているわけではありませんが、酒類と一緒に食すのが体によくないと警告する人もいます。。まあ、投稿している女性のみたいに頬張るほど、実際は食べれませんけど。。。
いずれにしてもこのニュースで果物の王様『ドリアン』、そして『ドリアンはタイ、ベトナム、マレーシアで生産されている』、『世界のほとんどのドリアンは中国で消費されている』というような豆知識というか情報が広まったのは間違いないですね。