ロックダウン中の上海
2022年4月16日現在、上海市の西側(浦西プーシー)地区に住んでいる我々も4月1日からロックダウンの状態での生活です。
その影響で本業のアパレルにも莫大な影響がでていて士気も下がりっぱなし、実際はそれ以上に円安で安きもなくなってきますが、開き直ってコロナが終息することを願い、中国での今後のビジネスアイデアを考えてみようと思います。何かの参考となれば幸いです。
日本のニュースでもロックダウン中の上海で、食料やその物流、医療、などの問題が報じられていますが、たしかにいろいろな不便が起こっています。食料はかなりネットで買えるようになっていますが、更なる改善を願うばかりです。
とりあえず食べないと死んでしまうので、“食料”の話をすると、
東(浦東プードン)地区より我々は準備期間があったので10日分くらいの食料は十分買っていました。元々4月1日から5日で終了と思っていたのですが、延期になったため8日くらいに卵がなくなった時にちょっと焦りました。
ただ、ネットで買えるとも思っていたし、下の我々の建物を管理している人に聞いたら買う方法もあったし、自分は事務所兼住居に一人で住んではいるものの家族同然の会社の中国人スタッフたちもみんな付近の同じ管理(同居住委員会)区内に住んでいるので、配給のもの、ネットで買ってもらったものを分けてもらったりで、食料は尽きてはいません(ネットで昨日買ってもらった野菜と鶏肉を挟んだパンが届いてさっき下へ取りに行きました)。
冷凍のものを変えなくて今日初めて届きましたが、餃子やワンタンとかの冷凍食品がうまく買えないのは、料理をあまりしない人にとってはより困ることですね。
この今日届いた野菜や冷凍食品は“団購(トアンゴウ)”で買ったものです。この我らがアパレル業界の繊研新聞の記事にある、上海団長 というのがこの団購のリーダーということです。
ウィチャットでは最高で500人になるグループチャットを取り仕切って、たとえば大根がある、ラーメンがある、豚肉がある、りんごがある、、、、というように物が確保できたら、グループの人たちに知らせてみんなで一緒に購買して配達も段取りします。
ずっと携帯を見ていないといけなかったり、これで買うのも苦労はありますが、我々の食糧を買ってもらっているグルーブの団長は、こまめに買う人と連絡を取りあってうまくやってくれているようです。昨日豚肉のセットと野菜のセットも注文しても一緒に注文してもらいましたが、これもさっき届いたと電話があり、取りに行きました。
この上海団長の記事にもあるように敷地内に4000人が登録しているのもあれば、1〜2万のところもあるわけで、その中でみんなに感謝される団長!をうまく努めるには献身的な性格も必要だし、ある程度の商売知識+社交能力もないとできません。人数が多い敷地では団長としてグループを組んだものの、顧客の対応に耐えれなかったり(苦情とかも多いです)、サプライヤーとうまく連携できなくてやめてしまう団長もいます。
ユーモアを込めた動画で、今後管理部門の学科を履修した大学卒業の人よりも、この団長を勤め上げた人の方が上海でいい就職先がある!今この役目をやり遂げれば、今後企業の面接に役立つ!とも言われているくらいです。
この“団購(トアンゴウ)”を通じて近隣住民同士のコミュニケーションがよくなったという別のよい効果も出ていますが、その中で「顔も売れる」わけです。
コロナ禍のこの食糧でつながる“団購(トアンゴウ)”がいつまで続くかわかりませんが、この購買形態というのはもともと商売の形態として存在するものです。
我々の下請けでもあったセーター工場の息子が6年くらい前に教えてくれた話ですが、そこは我々の住む上海嘉定区から車で1時間15分くらいの場所にもかかわらず都市としてはかなり田舎で人口も少ない无锡市管轄の小さな都市でした。そこに3つのグループチャットを開いて中国全土の商品、そこと周辺の田舎町に新鮮な農産物、輸入食品、化粧品、生活用品、服、、、などを団購形式で注文を取って売っている会社がありました。
その当時年間1億元(18億円くらい)くらいの売り上げをしていて、彼もそれに少し投資して一部の地域の配達もしていました。つまり個人のネット販売のように始めたグループチャットから田舎町の“団購(トアンゴウ)”を組織してこれだけの購買力を持つようになったということです。
日本の大企業にとっては小さすぎるかもしれませんが、その時僕も販売できる日本のものはないかと言われていました。ただその時は時間的、値段的にこれだ!というものがなかったのですが、中国にものを売りたいと考えられている人はこういうある程度の規模をもつグループを見つけて営業するというのはいいと思います。
当然 正式に中国輸入をしないといけないのですが、それに対しても輸入できる代行会社は見つかるはずです。
単純発想の考えですが、もし日本の食べ物としたら 納期が早く、賞味期限がある程度あって、リピートがすぐにできるもの! となると常温保存のできる食品のかまぼこ?とか。。 きめ細かなお菓子とか。。。そういうものの販売者や生産者が直接こういう団購のリーダーを探してアプローチするのはありだと思います。それを我々が見つけて力になれる、というになれたらもっといいですが。
もしかしたら今のコロナ禍の団購の団長さんが今後この経験を利用して販売網や別のネットワークビジネスを持つかもしれません。この“団購”に注目してそれに合う日本商品を考えてみてはどうでしょうか。
2022年4月16日