またかなり間があいてしまいました。
この間に9月10、11日は安徽省の滁州(CHU ZHOU)市天长(TIAN CHANG)のマスク工場に生産チェックにいきました。
- 滁州市天长
>>>冗談で彼に言われたのですが、僕はずっと中国にいるから簡単にこういうことができますが、普通に外国人が中国に来て付き添いもなしにそれほどきたこともない場所を自由自在に移動できるというのはそれほど簡単なことではない。。今やいくらでもいると思いますが、車も運転できて、通訳もいらず、食べ物とかなんとか気を使う必要もない僕は結構便利なおじさん、ですね。
我々の住む上海嘉定区から地下鉄11号線から3号線に乗り換えて、初めて1987年上海に来た時からある上海南駅まで約1時間。30分前くらいには駅についていないといけないので、それプラス新幹線が約1時間半で南京駅(これも古い方の駅ですね)、さらに地下鉄で乗り換え含めて1時間くらい、それから車で40分くらい、5時間くらいで到着です。
- 昔の趣の残る上海南駅
- 3番テーブル、ワンタンと油条(ヨウティアオ)22元携帯で払いました
コロナで去年マスクが不足していた頃から、長くおつきあいさせてもらっているアパレルのお客さんの依頼で、不織布マスクや ファッションマスクを作らせてもらっていました。この辺りは不織布、その不織布の間に入れる一番重要なフィルターを生産している会社が多く、マスクを生産する工場もかなりあります。親しい友人であるZW君の大学時代の同級生がそのフィルターを作っているのでそれを通じてちゃんとしたマスク工場を紹介してもらっているので安心はできます。今は人間関係がしっかりしているというのが一番大事だと思いますし、お互い無理もいいつつ助け合うということがやれないとオーダーも取れません。
その本物のフィルターを作っている会社からこのマスク工場はフィルターを買っているので偽物をつ構われるということないわけです。われわれが在庫のフィルターや在庫の不織布に手を出さなかったのも彼の指摘でもありました。フィルターはマスクの命なのでこの取り締まりは非常に厳しいものだったということです。
こういうことはアパレルでいろいろ失敗した経験が生かされて、信頼関係の構築できる人がいて、工場にも対応力がある人がいることは確認済みなので、実際 バカみたいに手間のかかるセーター生産よりはほぼ機械のみがやることなので管理的には楽だと思います。気を抜かないように毎回チェックしていくだけです。機械で作れるものは機械をチェックする人に全てがかかっているということは今回勉強になりました。なぜ紐が取れるかというのは機械の中の接着剤みたいなものがなくなってきたり、機械を動かし始めたりする時接着が弱くなるのを検査したり、常に機械をチェックして記録している人がいます。気の抜けない仕事ですね。
我々セーターの自動編み機など、汚いところに置いて、針の整備もろくにしてないようなものがあちこちにありますが、見習うべきことです。
何れにしても、我々は性能的に問題のないマスクをできるだけ安く、お客さんに提供してそれが消費者の方にも喜んで買っていただけれて商売が成り立つように努力をしているわけです。
他の話に移るつもりだったのですが、このままマスクの話を続けると、、、
去年日本にいた時“アベノマスク”が届いて今も保管しています。その時、どうしても許せないことがありアパレルのお客さんたちといろいろ話したものです。
- アベノマスク
日本の社会は、利権のせいでそんなもんだ〜と言われたらどうしようもないですが、、普通のマスク業者や、専門のアパレルや商社に直接作らせれば絶対にもっと安く、いいものができているはずです。ずっと中国にいる時間が長い僕が税金の無駄使いを指摘するのは恥ずかしいですが、勿体なさすぎないでしょうか。。。
どこに発注したとか、中国やベトナム生産もあるとかニュースにありましたが、汚れなどがあり中国や日本で検品し直して億単位の金がさらにかかっている、、というニュースもありました。
そりゃそうですよね。あのパッキングされた状態を検品会社に持ち込んで、取り出して検品して袋に入れ直す。中国の日系検品会社でも1枚10円くらいはとるでしょう。もし日本に輸入されているものを日本で再検品したら倍の20円くらいはかかるでしょう。それも利権のある場所で検品したらもっとかかっているかもしれません。ちなみにセーターを日本で再検品したら普通のものでも1枚100円以上はかかります。我々は上海で検品会社もやっていたこともあるし、今も当然付き合いはあるので大体正しいと思います。
僕は専門ではないですが、アパレルとマスク生産の経験からみてこの程度の布マスクで中国で作ったとして、まあまあの工場に頼んでちゃんとやりなさいと値段も少し高くしてあげて、間の日本の商社とか管理する会社にも多少の利益を上げたとしましょう。それで高くても0.35〜0.4ドルくらいでは絶対にできるはずです。日本に輸入した後のコストが1ドル=110円くらいとして考えると高く見積もっても55円まで(実際はこんなに高くないはずです)、2枚入りだったからロス込みで3億枚くらい作ったとして165億円くらい、物流費や配達費用(郵便物と一緒に運ぶのだから別に必要ない)を考えても その時ニュースで言っていた6〜700億円もかかりますかねえ?
このだいたいの計算も高く見積もっての話なのでかなりの無駄使いだと思います。言い過ぎかもしれませんが、予算の半分以上くらいの金が利権の人に渡っているのではないか?とも勘ぐりたくもなります。
専門のマスク業者に直接作らせないで、利権の通し会社か何かから仕事がさらに利権のある人に振られたりしているのかもしれません。
僕らが値段も厳しく、苦労して生産しているのに、これはいただけない!と感じたものです。
自分達に作らせてもらいたかった、もっといいものを、もっと安く作れたのに!と思った業者の人は多くいたと思います
さらにいうと、僕はもともと不織布マスク派だし、顔が大きいからこのアベノマスクは着けませんというか着けれませんが、どれだけの人がこれを使ったでしょうか? 喜んでつけた人もいたと思いますが、フィルターも使ってないただの布マスクだし、冷静に費用対効果を計算したり、必要な時にあったか?とか考えると、国としても全くの大はずれの企画であって、大きな損失であって、企業ならその企画をした人は処分されたり、左遷されたりするレベルのとんでもない大失敗だったと思います。中国の政府だったらこんなことをやった指導者はおそらく失脚レベルではないでしょうか?
その時 なぜそうしない?!と思ったのは、日本生産の不織布マスクを推進するのは別によし!しかし、国が中国に頼んで1日1億〜2億枚分けてくれ、値段もこれで頼む、とか交渉して日本に輸入する時の関税もゼロにしたらいくら価格が高騰していたとはいえ国民にあんな高いマスクを買わす必要もなかったし、マスク不足とかになっていなかったと思います。もしくはアイリスオオヤマとか生産輸入業者を支援して補助金でもあげて中国と話をさせてもよかったと思います。こういう時こそ国が動くべきだったはずだし、アベノマスクより絶対に費用は少なくてすんだはずです。厚労省、経産省とか頭のいい人いるはずだし、政治家ももっといい考え持っていた人もいますよね!なんでアベノマスクになるのか?全く必要なかったものだと思うし、冗談でもこんな企画なんで実行するのか?と思いました。
日本からマスクを頼む!と言われたら中国は日本に貸しを作れるわけだから工場をフル稼働させてでもやってくれたと思います。中国と交渉すれば一番早いと思っていたし、貸しを返す方法もいくらでもあるでしょう!!
ちょっとエキサイトしたついでに、最後にもう一つ。今回の出張で7月〜8月にかけてコロナのクラスターが出た南京を経由しました。今は1日の感染者はゼロになり、隔離されている場所もなくなっていて普通の日常が戻っていました。帰りの列車は揚州(何回も言いますが、揚州チャーハンの揚州)から乗るのが一番便利だったのですが、コロナの影響がまだありチケットが取れなくて镇江南駅まで送ってもらって上海に戻りました。南京、揚州 では今回のクラスターでかなりレベルの高い幹部、管理者が処分されています。上海の浦東エアポートの管理者も処分された人がいます。
中国では失敗は許されないとか、処分がいきすぎだとか、北朝鮮みたいだと言われる人もいると思いますが、『責任』のある仕事をしている人はもし怠慢やミスがあったり、結果が芳しくなければ、処分されるのは普通です。このアベノマスクは? 許されていい程度の損失でしょうか?このお金をもっと有意義に使えたのではないでしょうか。
ついでに、ワクチン担当の河野太郎氏。僕が政治家の批判とかしてどうなるものでもありませんが、、どうも納得いかないのでちょっと前にも書きましたが、ワクチンが確保できていると言っておいて、在庫がない、、いろんなトラブル、遅れ、、想定してなかった? 最後は、遅れたのは全て自分の責任、ごめんなさい、。北朝鮮だったら処刑レベルの失敗ではないでしょうか?別に死刑にしろと言っているのではないけど、中国でもとりあえず失脚させられるくらいの大事だと思います。せめて議員辞職するくらいの命に関わる大失態だと思うのですが、それが次期首相候補の筆頭?これでいいんですかね? あますぎないですかね?
みせしめ、優しすぎ、、バランスは必要だと思いますが、政府がこれで許されるのなら一般国民に対して示しがつくのでしょうか。世界からナメられないでしょうか?
ナメられない日本であってもらいたいし、ナメられない日本人でありたいですよね。若い頭のいい人たちに奮起してもらいたい。
マスクから話が河野太郎さんになってしまいました。
2021年9月17日