上海の事務所で仕事をしている時、一緒に仕事をしている4人の女性たちが何を言い合っているのかと耳を傾けると、すでに2ヶ月くらい前から施行されている 『双减政策』(shuang jian zheng ce)についてでした。
双 減 政策、
漢字を読んでいくと、2つの?を 軽減する 政策、、という感じですが、義務教育中の子供の宿題の負担を軽減する事と 学校で習う教科(運動、芸術、音楽などは含みません)を扱う学習塾をなくして、‘老百姓’(lao bai xin)、辞書で調べると民衆という意味ですが、その一般家庭の負担を軽減する。2つ目はちょっと解釈の仕方で受け取り方が違いますが、直接学校外の塾を減少させるという意味でもあり、高騰する塾の学費の負担をなくして、結果的に子供の負担を軽減させる、ということですね。
学校の先生が学校での授業よりも副業でお金がもらえる塾に力を入れている、そういう会社が暴利をあげている、、、というような現象を “改革”する、という強い意思もあります。いろんなニュースに 学問のあり方〜とか、ビジネス化している教育への批判〜〜とか、、難しい話もいっぱいでています。中国語で読むのはまあまあ力がいるのでそんなにいっぱい読んでいるわけではないですが。
一番長く働いてくれている WLさんは上の女の子はこの9月から中学生、下の女の子は来年9月から小学生なのでまともにこの政策と関係があります。一人は未婚で もう一人の女性は高二の女の子と小学校5年の男の子がいます。ただ子供は旦那さんの地元でその両親が育てています。
仕事中に雑談はよくない!ということはさておき、話に首をつっこむと、
*この費用がなくなるのは助かる。
*学校の先生が収入の多い塾での仕事を優先して学校で真面目に教えないで、莫大な宿題を子供にやらすことを改善するのはいいこと。
*学校の先生が学校で真剣に教えるのは当たり前!
*塾をなくしてもお金のある人は優秀な人を家庭教師として雇うはずなので、結局お金は使わないといけなくなりあまり意味がない。。
*確かに負担は少なくなるが子供の学校の成績が悪かったらどうする?
*塾に頼らざるを得ない家庭もある。。
*抜け道はあるので塾は完全にはなくならない。
などなど。
僕はそれほど理解していないですが、日本はゆとり政策で学業のレベルが落ちたとかいう話を聞いたことがあるので、中国もそうなるのか?と聞いてみると、それも議論になっているらしい。それに学力の差が広がる! 高校からの負担が余計に多くなる、とか。しかし、それは国も考えていて、高校や大学の入学制度の改革も一緒に考えているらしい。。すでに始まっている政策もあるとか、、彼女たちにとっても身近な問題ですね。
4ヶ月前くらいでしょうか、日本のくだらないニュースで‘中国は三人子供を作ってもいいことになっている、国は若い人に子供を多く産めというが若い子は反発している〜〜’というような話がありました。どうでもいいのですが、べつに強制的に産めとも言っていないし、人口減少を食い止めるための政策変更だし、しかも産んでいいと言ったところで、今の上海を見ていたら日本もそうだと思うけど、普通の人が、そんなに二人も三人も子供を産んで育てる余裕と力があるのか?と言う感じです。両親の助けがあったとしても、物価も上がっているし、養育、教育にお金もかかる時代に、都市で多くの子供を作ろうという若い夫婦がどれくらいいるだろうか?というのが現実だと思います。
しかし、‘反発’ではなく、実際に子供が多く欲しいと思う人や家族はいるわけで、その人たちが 家が高い、家賃が高い、養育費が高い、、というような理由で子供をつくれなくて困っているというのも事実です。
この話とすぐに結びつくとは言えないですが、この『双减政策』は今後の出産率にも影響を与えます。つまり、民衆の負担を軽くするから、安心して子供をつくっていきましょう!という考えがあるのは間違いないはずです。そのほかにも、結納の時に男性側の家庭から女性側の家庭に贈られるお金と指輪などの高級な品物、中国語で“聘礼”(pin li)と言いますが、これも禁止になっているという話もあります。結婚時の負担を軽減するということですね。
その日本のニュースをみてから、中国のネットでマンションが高すぎて買えないとか、それで子供の教育費をだせない、産みたくても子供を産めない、という議論が話題になっていると、友達から聞きました。
結構長い間、こういう問題が国で問題に挙げられていたのかも知れませんが、僕の感覚では何か 絶対に早く改善しないといけない!と、一気に政策を実行した、という感じがしました。
日本も同じなのでしょうが、いろんな政策には多くの予期せぬことや、問題が起こるはずです。しかし、中国の人の特徴というか「先做了再说(xian zuo le zai shuo)」、僕もしょっちゅう口にしますが、とにかくやってみてから考えよう!というノリで 行け〜っていうような?? とにかくいろいろ考えて、分析して、いいと思ってやることなら、とにかく早くやろう!それから考えよう!みたいな。
本当にそうなのかはわかりませんが、どんどん実行して変えていくのは正しいと思います。
こういう話をしたら、中国はどうだから〜〜とか言われそうですが、日本も即実行はやれるはずです。
我々セーターの生産と国の決定を一緒にはできませんが、『決断と実行』そして修正ですよね。日本もどんどん手を打って早くWITHコロナでも脱コロナでもなんでもいいので今の状態から抜け出して欲しい!優秀な企業の社長とかの本にもよくこういうフレーズ出てきますよね。
やはりトヨタの社長に首相になってもらって不要な国会議員とか首切りして日本を経営してもらったほうがいいと思うんですが、どうでしょうか。
最後は話が居酒屋で話すようなことになりましたが、負けずに日本も変化していって欲しい、というかとにかくどんどん手を打っていって欲しい!!
2021年 8月27日