昨日 3年くらい前まで取引のあった日本商社の上海事務所で働いている上海人の友人SY君と久しぶりに会って食事をしました。彼は43歳、日本語は当然流暢でその商社に10年以上勤めている真面目な男です。扱っているのは我々と同じアパレル用品、靴下や消耗品などの雑貨です。
その前に 6月9日水曜日午後、2回目のワクチンを接種してきました。前の投稿で話したことに間違いがありました。1回目は車で行ってナビに頼ってよくわかっていなかったのですが、今回は地下鉄で行き、嘉定北駅の近くかと思っていてそこから歩くと 1.5キロほどの距離で30分くらいかかりました。接種が終わってナビを使ったら一つ離れた嘉定西駅から5分ほどのところでした。今回は日本人が多かったですね。近くに日本人も働く日系の工場がいくつかあるので作業服を着たまま接種に来ておられた方を5〜6人は見かけました。すぐに接種して 30分休んで帰ってこれました。僕らの事務所の下でもバスが来て臨時に一般の中国人の方に接種をしていました。ワクチン接種がひと段落して、とりあえず2回目の接種を急いで、間隔を少しおいてまだ接種していない人の1回目を打つことになるそうです。
何人かの人に聞いたのですが、今回の広州で感染者が出たことでPCR検査を1000万(多分もっと多いと思いますが)以上して、2回ワクチンを接種した人の感染はゼロで、1回接種の中から10人程度の陽性反応者がでて その10人も軽症ということです。効果があるということ、絶対に打ったほうがいいということですよね。日本もとにかく早く打つことを考えて欲しいです。僕の場合は1、2回と接種して変わった感じはなにもありませんでした。付き合いのある何人かの日本人の方も接種を終わっていましたが、みんな普通にされているようでした。3回目用のワクチンも用意ができていて、2回接種後 半年〜一年の間に接種すれば抗体の力が10倍以上になるということも聞きました。
上の写真は僕らのワクチンんの接種場所/下の写真のバスの中で中国人の人が接種しています。
話を戻して、SY君と食事をしながら去年のコロナ時の話を中心に、楽しく話して情報交換もしましたが、初めて聞いた嬉しい話は彼に婚約者がいて、結婚もするということでした。親からの支援もあったとは思いますが、彼はマンションも車も持っているので、収入も日本のまあまあ大きい商社だから一定しているので結婚の条件は整っています。相手の女性は38歳らしく彼女がそう思っているかを彼ははっきり言いませんでしたが、“絶対に子供は作りたくない”らしい。
なぜか? 別に高齢出産だからというのはなく、日本人の特に都会に住む人も一番に考えるだろう“お金”のことです。別にそこまでお金をかける必要もないのですが、かかる費用の問題です。
彼も僕がこういう話をよく理解していると思って話しているのですが、その時にも話題にだした僕と25年以上仕事をしてくれているSY君も知っているCMさん、すでに孫がいますが、日本もそうなのかもしれませんし、中国人の全てがこうだというわけではありませんが、この孫の例を紹介します。上海では一般の、普通レベルの家庭ですね。
1、現在4歳 (小・中・大の一番下の学年です) >> 民営の3年制の幼稚園(ただしこの孫の場合、3歳半くらいから託児所の役割をする幼稚園の更に下のクラスから入園していました)です。
2、月曜日から金曜日の朝8時から16時まで。英語も含めた教育、25人で1クラス/先生2人+世話をするおばさん1人。
3、入学金はないですが、5800元 給食代入れて6150元/1ヶ月 は最低かかります>>当然もっと安い幼稚園はいくらでもあります。
4、問題はそれ以外ですよね。 前の投稿でも話題に出しましたが、習い事です。旧正月もあるので1年を11ヶ月で計算した場合、
LEGO(レゴ) 1週間1回 1時間 1年8000元 >> 月4回 =720元くらい
英語 1週間2回 1回1時間半 16800元/1年 >> 月8回 =1500元くらい
囲碁 1週間2回 1回1時間半 10800元/1年 >> 月8回 =980元くらい
水泳 1週間1回 1回1時間 24回の授業で合計5000元 >> 月4回として =800元くらい
ローラーブレード 1週間1回 1回1時間 4000元/30回 >> 月4回として =530元くらい
思考ロジック(ネット教育) 1週 2回 1回40分 6000元/1年>>月8回として =540元くらい
幼稚園の費用+習い事の費用=約11200元/1ヶ月、日本円で約19万円!
↑ 囲碁、絵画、英語、習字などの塾です
またいつか話していきますが、こういうお金はおじいさんとおばあさんが出して当然という風潮もあるのですが、その親の親が不動産などを持っていて養育費が十分払えるとか、色々なパターンがあります。みんなで負担している場合とか、当然親だけで負担している人もいますが、そんなにみんなお金があるわけではないですよね。CMさんの場合はこの金はおそらく彼女(おばあさん)が全て出していると思います。僕としては5歳くらいから成長を見てきているこの親不孝者のクソ息子のために 僕と彼女がコツコツ努力して得たお金を使うの腹がたつのですが。
この結婚を考えている彼SY君は こんなにお金がかかるなら子供などいらない!と言っているわけですが、
1、 大きくなったらもっとかかるとはいえませんが、4歳でこの状態ということは大学卒業まではあと18年くらいの時間があります。
2、 今 子供がいらないと言っているので 二人目ということはあり得ないと思いますが、万一 二人目がどうしてもということになると倍かかるということ。
3、 さらに問題は将来の社会がどうなるかわかりませんが、産んだ子供の孫の費用も自分が出さないといけないという、一生養育費を払い続けないといけない可能性がある、、、
というような懸念があるわけですね。
ただ SY君は 自分の子供の養育費は“自分(と妻と)で負担する”のが当然と思っているし、その責任感があって、不安になっているともいえます。CMさんの息子夫婦のように親が払って当たり前と思っているのとは違います。今の風潮はおじいさん、おばあさんが払うのが普通というのもありますが、SY君のような常識的な普通の人も当然多くいます。それに日本人以上の年収のある若い人もいっぱいいるわけで、そういう人たちはそれくらいの費用は何の問題もないというわけです。これは都会である上海の話ですが、習慣は周りに拡散しているのは確かです。豊かになっていっているとも言えます。
またこういう話には触れますが、 SY君とも子供の教育とか、人間的にはどうだとかいう話をしているうちに
*よくニュースにも出てきますが、中国人の家族が子供の教育にかける費用はさらに大きくなっている
*国も英才教育にはもともと力を入れている
と、いう話になりました。それで日本人はどうだという話になって、
日本も負けないように『国を挙げて』人材育成を進めていかないといけないのではないかということを何となく一緒に考えていました。
先日、中国の無人探査機が火星に着陸した、というニュースがあって、日本の専門家の方が「大したもの」と技術力と発想力を褒めていて、そのコメントにも「日本は研究者を大事にしない」ということが書かれていました。これからは中国に勉強に行くようになる、というコメントもあありました。こういう頭のいい方たちも焦りがあるのではないでしょうか。
世界の長者番付のニュースでも 1位アマゾンのジェフ・ベゾス 2位はテスラのイーロンマスク、ソフトバンクの孫正義さんが29位、その間に中国人は7人いますが、僕が初めに見たヤフーのニュースにはそのことも書いてありませんでした。アメリカ人、中国人がどうしてそんなに多いのか?というのも当然日本の優秀な人は分析していると思いますが、日本はどうやったらこういう人を生み出せるのでしょうか? アメリカの会社であるテスラのイーロンマスクさんがこの2位というのは、米中関係がどうこう言っているにも関わらず中国生産の電気自動車が売れたのが明らかな理由のはずです。日本の企業でもこういうことがやれるのでは? 日本でも企業が学校を作り人材育成を行なっていますし、大昔に読んだ 松下政経塾の本がありますが、松下幸之助さんもそういう人材を育てないといけないと思ってその塾をつくられたはずです。
話が飛躍しすぎましたが、アメリカとか中国とか日本でもいいですが、優秀な学校へ行かせて勉強さす、教育さす、留学さす、幹部候補生を育てる、、、。当然だけど、何か精神面?ではなく性格面? 僕は中国で語学勉強を始めた頃から、アメリカ人の友達とかもできて、見た目は日本人と中国人はほぼ同じですが、何となしに日本人より『中国人の方がアメリカ人に近い』という感じがしていました。生活習慣や衛生観念の問題とかその時は思っていましたが、今もそう思います。大陸、国土の大きい国、あまり他人の事に気をかけないところとか、責任感や価値観の程度とか、、それがいい悪いという問題ではなくて、そういうところに日本人の弱点があるような気がします。それも優秀な人たちが研究しているのではないか?克服するにはどうしたらいいか? とにかく僕も何か力になれるようなことを書いていけるようもっと考えます。
2021年 6月13日