上海から、明けましておめでとうございます。結局去年も途中で投稿を挫折してしまいました。今年こそ、年間続けて投稿することを元旦の目標とします。
東京都知事選、衆議院選挙、総裁選、アメリカ大統領選挙、続くウクライナ戦争、止まらないイスラエルとイスラム世界の紛争、我々の商売にも関わる、円安、、、物価高、、。
ドリアンをどうやって日本で売るのか?ドリアンをどうやって宣伝していこうか?それはやっていくつもりですが、自分もそうだけど現在の物価高による生活苦、将来に対しての経済的不安、毎日ニュースで「103万の壁、手取りを増やす!!」とか聞いていると、こんな状態の日本で果物の王様である高価なドリアンが果たして売れるのでしょうか?
今仕入れているタイのドリアンの販売はほとんどは日本に住む中国人が食べるためのものなのですが、彼らだって日本に住んでいるのだから日本人と同じく不況の影響も受けるでしょう。高いタイのドリアンでなくてもベトナム(品質もよくいなっている)のでいいとか、別に冷凍でもいいとか、さらには食べなくてもいい、、、ということになっていくでしょう。「ドリアンなど食べてる場合ではない!」という感じですね。


2024年の中国のドリアン輸入量(https://mp.weixin.qq.com/s?__biz=MzIwNDA5MzgyOA==&mid=2653796030&idx=2&sn=b63c94815cd15fed5844f6142e04c760&chksm=8c49ea86c2606e96798baabfe16b15f6a6722f645094daa36797f534db3c6701b4e733cfd436&scene=27)をみると、フレッシュドリアンの総輸入量が青の部分で、タイ(オレンジ部分)、ベトナム(グレー部分)で、表の上の中国語の説明は、2023年はこの2つの重要輸入相手国(最重要生産国)からの輸入量が142万トン、輸入額が67億USドルで、2024年の1〜9月の段階ですでに138万トン、62億USドルで去年より輸入が増加している状況である、と書かれていてこれは事実です。しかし、実際24年度はタイの天候不良もありましたが、大事件としてベトナムのフレッシュドリアンから基準値を超えるカドミウムが検出され(https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/07/02/2024070280188.html / https://wkvetter.com/?p=82370)、その後タイのものからも検出されて、相当数のドリアン農家に調査が入って、輸出が停滞しました。中国のほとんどの輸入業者や卸売業者は損を出しているということです。
これらのニュースに書かれているように、カドミウムは確かにベトナム産のドリアンから初めは検出されていますが、その後検査も厳しくなってタイのものからも検出されていて、タイにも相当厳しい対処をさせているので、「ベトナム産を締め出す」とか、「友好国に対しては市場を開放する〜〜」というのは今から振り返るとそういうわけでもないですね。人の健康に関わることであり、世界の90%以上のドリアンを消費している国として、その品質を守るのは当然のことです。
しかも、ベトナムもタイもドリアン農家に投資をしている中国人は多いので、フィリピンのバナナを以前輸入規制かけたように、ドリアン輸入に対して制裁などを政治的な理由でやったとして、相手国に対して脅しにはなるでしょうが、それをやることによって中国の人にも大損害を与えてしまいます。そんなことは誰も望んでいませんし、ドリアン好きの消費者は美味しいドリアンを食べたいだけです。
僕は今年10月以降アパレルの仕事が忙しくてほぼ上海か蘇州で生活していますが、中国にいるときはほぼ毎日ドリアンを中心に果物屋を観察しています。上のニュースにあるような影響があって我々が身近で感じれるくらいドリアンは10月くらいから1月の今までずっと品薄であると思います。特に僕らが日本に輸入しているタイのモントーン(金枕)ドリアンは12月は果物屋で見るのことも少なかったし、値段も48〜58元/500グラム(今の円安レートでは1元=21元くらい)で、2.5キロ/1個だとすると、300元くらいになって、中国の一般的な家庭でも買いにくい値段だと思います。
何度か東京に用事で戻った時、大好きなイオンに行ったり、新大久保の中国スーパーをみましたが、タイのドリアンは置いていませんでした。おそらく価格が高すぎるのと、カドミウムの問題、品薄で輸入していないのだと思います。弊社も同じ事情で日本に輸入するドリアンが確保しにくくて、24年度はそれほど輸入していません。ドリアンだけの商売なら今年は大赤字だったでしょう。中国のドリアンを扱う人たちも春節明けの来年に期待しよう、という雰囲気で今年は諦めムードです。
それはそれとして、このドリアンの商売が原因で、日本でも中国でも果物に目がいくようになって、特に中国では果物を多く食べるようになり、果物の魅力に取り憑かれてきました。ドリアンがこういう状態なので、その情報も発信しながら、他の果物の話題も投稿していこうと思います。中国は果物の生産力、輸入量も世界一の『果物大国』ですし。
その2025年第一回目として、今日1月1日に食べるつもりで買って開けた、マレーシアのD13ドリアン(中国語では朱雀ZHUQUE/別名は買ったドリアンのシールに印字されている『金包』JINBAOドリアン)を紹介します。



ちょうど、カドミウム基準超過でベトナム産のドリアンが締め出された、という上のサイトの記事に『中国海関総署(韓国の関税庁に相当)は先月25日、中国生物安全法と検疫など関連要件を満たすマレーシア産の生ドリアンについて、輸入を認めると発表した。これは先月19日、中国の李強首相がマレーシアとの国交樹立50周年を記念してマレーシアを訪問した際に約束したものだ。これでマレーシアは、タイ、ベトナム、フィリピンに続き、中国に生ドリアンを供給できる4番目の国になった。』と書かれていて、これはすでに2024年の8月ごろからスタートしていますが、僕は最近スーパーでみるようになりました。以前僕の投稿でも紹介した、ムサンキングとかスルタンとかマレーシアのドリアンは全て冷凍で輸入されて冷凍のまま売られていました。



タイのモントーン(金枕)ドリアンを扱っている自分ですが、最近果物屋で見るのは高いし、皮も厚くよくないような?? それでせっかくの元旦だし、たまたまベトナムのガンヤオドリアンの横に売っていたマレーシアのフレッシュドリアンを買って食べました。マレーシアのフレッシュドリアンを食べるのは初めてです!
500グラム/68元と、タイのよりも高いですが、小さいのでほぼ1キロで145元(今のレートで約3000日本円くらい)でそんなに高くもないので買いました。ちなみに隣で売っているベトナムのガンヤオドリアンは500グラム29.9元と書いているので、値段の差は倍以上と相当高値ですね。しかも上の写真でもわかると思いますが、マレーシアのドリアンは比較的種が大きく、タイのドリアンを多く食べている僕としては食べれるところが少ないので値段的にもっと高いように感じます。これは中国の人もそう感じているでしょう。


D13ドリアンはレベルとしてはD24のスルタンより下の扱いのようです。ネットでマレーシアに住まれている?方がドリアンのことを書かれている比較的新しくていいサイトがあったので、それも参考になると思いますのでみて下さい(https://www.mtown.my/feature/durian-2024/)。そこにカタカナ名でゴールデン・バンと書かれているので中国名は金包の方が普通の呼び名なのでしょうか。
小さくて形がとにかくかわいい!モントーンドリアンとは違う優しい棘の形も魅力的です。割るのが勿体無いと思いながら開けてみると、こんなに小さいのに5部屋に実が入っています。とにかく色が美しい、匂いも甘い感じで全然臭くはないです。しつこくないクリーミーな、マレーシアのドリアン!!という味で大満足です。元旦にふさわしい果物の王様、マレーシアの可愛いフレッシュドリアンでした。
ちなみに、カドミウム問題で初めにつまづいたベドナムのドリアンの生産量は2025年はタイを超えて、さらに中国への輸出を強化していくという話を先日広州江南市場の友達から聞きました。我らがタイのドリアンの逆襲にも期待したいものです。
1月1日 2025年