我々は2023年タイのドリアンの輸入をはじめましたが 卸売りをして最終的に買って食べてもらっているのはほとんどが日本に住んでいる中国人です。まずはどこの国のドリアンがいい!という前に日本人にドリアンを受け入れてもらわないと我々の売り上げも伸びません。我々が輸入しているタイのモントーン種はドリアン臭が弱いものですが、それでも日本人にとっては 臭い、異臭、、とまずは思われてしまっています。
僕が初めてドリアンという果物を知ったのは多分30年ほど前に、テレビの『ちびまる子ちゃん』でみた時のはずです。まる子ちゃんが誰かにもらった果物セットの中にドリアンがあって、それが何かわからなくて臭くて食べなかった??というような感じの話だったような。ただ、このまる子ちゃんの感覚は今の日本人のドリアンに対する感覚とそれほど変わっていません。
その後、僕は勤めているアパレル会社の香港の事務所へ出向になり、ドリアンを食べる機会ができました。初めて食べた印象というのは、それほど臭いというわけではなく、『甘いなあ!!』というのがいちばん記憶に残っています。
香港や仕事でしょっちゅう行っていた広東省もタイやベトナムに近い南国の気候であるのもそれほど”臭い”と思わなかった原因でもあると思います。
さて、現在タイのモントーン種ドリアンの桁違いの最大輸入国は中国です。先日上海に戻った時の写真ですが、



左の写真のカゴに入っているのは 近くのモール地下の食品売り場で売っているベトナムのガンヤオ(干尧 / Kanyau) という品種で、おそらくに近年だと日本では最も多く売られているものです。値段のことは後ほど触れるとして、匂いは結構きついものです。
しかも紫の結束バンド見えますが、29.90(元/500G)の上のドリアンがすでに割れて開いているのをこれ以上開かないようにとめつけています。開いているというのは既に熟れていてすぐに食べないといけない状態で、中の果肉の匂いが外に出るのでドリアン臭をかなり出している状態です。しかし、他の野菜や果物もあること、スーパーのスペースも広いこと?換気も悪くない事、、まあ慣れもあるのでしょうが、別に誰も臭いという感じはないです。僕が近くで匂ってもフルーティな感じ、、みたいな。
真ん中の夜の写真は上海の居住地区のそばにある一般的な果物屋で、日本の都心のコンビニの数くらい見かけることができます。こういう店で1店舗10個くらいは普段は置いていますが、異臭もそんなに違和感はありません。ここは果物のみですが、野菜や肉も一緒に売っているところもあるので、匂いを放つもの同士でお互い様というところでしょうか。



上左の写真は 去年多摩平イオンで売っていたドリアンです。これはタイのモントーン種で、まだ開いていない状態でほとんど匂いはないです。イオンも匂いを重視してタイのモントーン種を選んでいるのかもしれませんね。日本で売るにはこういうガッチリとした網バッグとかもつけるようなサービスも必要です。持つ時に怪我をしたとか、足の上に落として足の骨が折れたとか、、、大変なことにもなりかねないというのも、一つの問題ですね。説明書付きというのもさすがはイオン!上右の写真は横浜イオンのもの。ポリバックに入れることで匂いが出るのを多少は防いでいますね。
左下の箱に入っているのは、新大久保の中国スーパーで売っているもの。中国人も多く人通りもすごい場所ですが、あまり匂いに対しての配慮はありません。ラップをかけているのも、匂いを防ぐというよりはこれ以上皮が開かないようにしているのでしょう。開いてしまうと中の果肉が乾燥してしまい、トロッとした食感が落ちてしまいます。



今回は新鮮(生)ドリアンに限った話ですが、上真ん中の写真で横浜中華街のすぐそばの伊勢佐木町の中国スーパーでは、店の中で店員さんが割ってくれて、中を何gいくら?という売り方をしています。当然匂いはでますが、他のものもあるのでそれほどでもなかったです。今はYouTubeでもドリアンの食べ方とか見ることはできますが、目の前で割ってもらうのを見るのは興味がそそられるものですね。外に並べているドリアンはマレーシアの『猫山王』と書いてありますね。
僕も自分で買ったものは全て自分で切って開きますが、一部屋(房)一部屋(房)に果肉が入っているので、割っていくのは結構快感ですし自分で外から見たものの中身の果肉が多ければ嬉しいし、こういう楽しみもありますね。ただ、中身が少ないと腹が立ちますし、中国では買った時に割ってくれて中だけ持って帰ることもできるので、中身が少なかったらその場で揉めることもありますが。


ドリアンは国別、種別で差はあるし僕自身が買ったものでも差がありましたが、これもドリアンの問題ですが、一般的には中の食べれる果肉が全体の重量に占める割合が3割くらい〜4割弱という感じのはずです。大外れでちょっとしかないということありますが、僕が測った中で5割程度というのもありました。
今回は、日本でドリアンを売るための”環境問題”ということだけでをまとめてみると、
1、スペースの広い換気のいい売り場が必要
2、日本の場合、露店であっても周りからクレームが出るだろうし、ビルの中の店などでは上の階とか、同階の人からクレームがくると言われる中国人店主もいるので、やはり、食品街とか匂いがしても気にならないような市場のような場所が必要。
3、食べ方などの細かい説明や実演も必要。
もっとネットとかテレビとかでも宣伝して、慣れてもらうしかないんですが、日本人に普及しないという理由は『異臭』が原因ではありますが、下に添付している かをり果樹園のアンケートにもあるように食べてみたら、美味しい!と思う人が多いはずです。が、なかなかクレームなどを気にして我々業者も含めて”売りにくい”ということもありますね。今 日本の中国人がやっているように、この日にドリアンが入ってくるから!と宣伝して注文とって、この店何ケース〜というふうにグループ販売で発送したり配達するというやり方が最もいいのでしょうか?
参考サイト
- かをり果樹園さんのドリアン試食アンケート https://gourmetpress.net/893507/
- 日本ドリアン普及会サイト ドリアンとは https://durian-japan.com/ドリアンとは/